あゝ飛騨が見える


高山市高根町、野麦峠にある。


野麦峠といえば、映画化もされた山本茂美のノンフィクション「あゝ野麦峠」で有名だ。
ある程度の年配者だったら、野麦峠の名前を聞いただけで泣けてくるかもしれない。


兄の辰次郎(31歳)に背負われる政井みね(20歳)。
長野県岡谷市の製糸工場から帰る途中、ここ野麦峠でみねは息をひきとった。


彼らの視線の先には乗鞍岳。


峠の頂上には他にも石碑や


お助け小屋、資料館などがある。

俺の祖母も若い頃製糸工場へ出稼ぎに行ってたらしい。その体験談を聞いたことがあるけど、「あゝ野麦峠」に載ってるような劣悪なものではなく、むしろ楽しい思い出として語っていた。

もちろん明治と戦前の昭和という時代の違いがあるとは思うけど、女工たちにとって製糸工場で働く事は決して悲劇だけでなかった事は知っておくべきだと思う。「あゝ野麦峠」の時代、他の仕事だって似たような労働条件だったし、飛騨に残っていたとしても生活環境が良いわけではなかったのだから。

野麦峠は女工たちだけでなく、かつて数多くの人々が往来していた重要な街道だった。でも今では観光客くらいしか訪れる事はない。それも以前に比べれば減っているだろう。時代の移り変わりを感じさせられた。


峠の向こうは長野県松本市。


乗鞍岳。

(撮影:2006年6月、2008年7月、2010年6月)

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