イリアムとオリュンポス

イリアム 上 (ハヤカワ文庫SF) オリュンポス 1 (ハヤカワ文庫SF)

 ダン・シモンズの「イリアム」と「オリュンポス」が文庫本で出たので読んでみた。

 ホメロスの叙事詩「イーリアス」「オデュッセイア」をもとにしたSF小説で、ギリシャ神話の英雄や神々、未来の地球人、機械生物モラヴェックの3パートに分かれたストーリーが複雑に絡み合ってゆくというもの。それだけに場面転換が非常に多く、盛り上がってきたところで「ちょうどその頃・・・」みたいな感じにはぐらかされてばかり。じれったい事この上ない。

 読み終わって抱いた感想は「長い」のひと言。
 「イリアム」は上下2巻、「オリュンポス」は3巻と全部で5冊にもなる。「ハイペリオン」シリーズ(全8冊)に比べたらずっと短いはずなのに、読み終わるまでかなり時間がかかってしまった。壮大なストーリーなのは分かるけど、あまりにも広がる大風呂敷に「これ、終わるのか?」と読んでて恐ろしさを感じたくらい。
 シェイクスピアとプルーストに関する文学談義など、俺ごときの教養では意味が分からない部分も多くて、大絶賛とはいかないのが正直なところ。

 とはいえ、まるで映画を見ているような圧倒的な描写はさすがダン・シモンズ。小難しい事は考えずに、エンターテイメントと割り切った方が面白いのかも。

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