ノルウェーのチューバ奏者オイスタイン・ボーズヴィークの2枚目のCD「danzas」を聴いてみた。ジャケットの写真がなんとも怪人っぽくて不気味。今回はニクラス・シヴェーレフのピアノとの組み合わせで、室内楽という面からチューバの可能性に切り込んでゆく。曲目は以下の通り。
・N.シヴェーレフ:3つの舞曲
・P.ヒンデミット:テューバとピアノのためのソナタ
・G.ジェイコブ:テューバ組曲
・L.バーンスタイン:ミッピー三世のためのワルツ
・A.プログ:3つの小品
・A.ピアソラ:天使のミロンガ
・A.ピアソラ:ブエノスアイレスの冬
・A.ピアソラ:アディオス・ノニーノ
まずはN.シヴェーレフ作曲「3つの舞曲」。ピアニスト本人がボーズヴィークのために作曲したもので、タイトル通りリズミカルな曲だ。
次はP.ヒンデミットの「テューバ・ソナタ」。この楽器にとっては古典的名曲とも言えるのだけど、あいにく俺はジョン・フレッチャーのしか聴いた事がなかった。録音の違いもあるかもしれないけど、フレッチャー盤に比べて意外とあっさり吹ききっている印象。
「テューバ組曲」。ゴードン・ジェイコブにこんな作品があったとは知らなかった。8つの小曲からなる組曲で、様々なスタイルが楽しめる。
「ミッピー三世のためのワルツ」。バーンスタイン作曲による2分足らずの小品。ミッピー三世ってのは犬の名前らしいが、そんな事を考える前に終わってしまうくらい短い。
アンソニー・プログの名前は初耳。調べたところアメリカのトランペット奏者らしく、他に金管アンサンブルの曲があった。この「3つの小品」も本来はトランペット用の作品で、非常に細かい動きが要求される。
最後の3曲はいずれもアストル・ピアソラ。アルゼンチンの作曲家で、「タンゴの革命児」として死後急速に再評価されるようになった。ここ最近クラシックでもよく目にする機会が増えている。チューバでタンゴってのも良いもんですな。
「danzas(舞曲)」というタイトル通り、全体的に軽やかな印象の演奏でした。
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