コニー・ウィリス「犬は勘定に入れません」の元ネタになった小説「ボートの三人男」を読んでみた。作者はジェローム・K・ジェローム。この作品だけで名前が残っているイギリスの作家だ。
1889年出版なだけあって記述が少し古めでテンポはゆっくり。聞き慣れないイギリスの地名に戸惑ったり、ボートの事がよく分からなかったりする部分もあるけど、それを補ってあまりあるのが随所にちりばめられたユーモアの数々。
話の大筋はボートでテムズ河旅行をする事。だけど話がしょっちゅう脱線するので全然進まない。冒頭、薬の広告を読んで、自分はあらゆる病気にかかっていると思い込む話など、現代人にも共感できる(笑える)話が多い。妙に理屈っぽいところがイギリス風のユーモアなんだろうか。なかなか面白かったです。
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